4月発足の新潟食料農業大柔道部は、白根柔道連盟鳳雛(ほうすう)塾の監督を務める星野力氏(51)が監督に就任。自身がスカウトした男子3人、女子1人で新たなスタートを切る。

やりがい。楽しみ。そして少しの不安。星野監督はさまざまな思いを胸に4月の初練習を待つ。修徳(東京)、国学院栃木など全国の強豪校から自身がスカウトした男女4選手の精鋭が第1期生として柔道部の歴史を刻む。「高い目標を掲げられるチームにしていきたい」。まだ団体戦は組めないが、夢は広がる。

新潟市内で主宰する道場「鳳雛塾」は、全国少年柔道大会に15回出場し、02、14年3位の実績を誇る強豪。そして、東京オリンピック(五輪)90キロ級代表に選出された向翔一郎(24=ALSOK)が小1から6年間所属していた名門だ。今後は、新潟食農大と鳳雛塾の監督を両立していくが、土曜日は同塾との合同練習を予定している。「柔道人口は減っている。将来、少年指導に携わる人材も育てたい」と、学生にジュニアを指導する楽しさも学んでもらう。

もちろん、本流は学生の強化であり、「どうしたら強くなれるか。自分で自分の柔道をプロデュースする」を指導方針に掲げる。学生に技術力アップ、フィジカルの強化や栄養面といった研究テーマを与え、その成果を部にフィードバックして全体で共有する体制を作っていく。

星野監督は、全日本柔道連盟の競技者育成コーチを務めており、中央とのネットワークは密だ。「1歩1歩だが、まずは全日本学生の団体と個人戦に出場できるようになりたい」。その最初の目標に向け、精進していく。【涌井幹雄】

◆星野力(ほしの・ちから)1969年(昭44)2月18日、新潟市生まれ。新潟第一高-専修大。段位は6段。柔道は白根小5年から始める。JOCの強化スタッフ、県柔道少年団の育成委員長。171センチ、80キロ。血液型B。

◆新潟食料農業大学 2018年開学。食料産業学部、食料産業学科で現在、2学年250人。2年からの選択コースにはアグリコース、フードコース、ビジネスコースの3コースがある。農場から食卓までをカバーする「食」の総合大学を目指す。指定強化部は、自転車競技部が開学と同時に創部。20年4月にラグビー部とともに柔道部が創部。胎内キャンパス(胎内市平根台2416)と新潟キャンパス(新潟市北区島見町490)がある。