ノルディックスキー・ジャンプ男子の葛西紀明(48=土屋ホーム)が、W杯メンバー復帰を目標に掲げた。18日、札幌・宮の森ジャンプ競技場で練習。20-21年シーズンは、全日本連盟の強化指定選手から外れたが「調子が良くなればすぐ日本のトップ、W杯メンバーになれるっていう自信はある。どうはい上がっていこうかなって模索している」と話した。

W杯本戦出場3試合にとどまり、30位以内のポイント獲得ができなかった昨季は「今までにないくらい、なんだこの最悪なシーズンはって思っちゃいました」。巻き返しへ、今季の初飛びは7月を予定。国内大会やW杯下部大会コンチネンタル杯で成績を残し、メンバーの入れ替えに懸ける。

自粛期間中はパンづくりに熱中した。知人のパン職人やネットの情報で、大好きな生食パン店「乃が美」の味を追求した。砂糖の代わりに水あめを入れるなど試行錯誤して成功し、後輩らに振る舞うと大好評。「乃が美をもじって『紀神(のりがみ)』って名前をつけた」と笑う。購入した25キロ分の小麦粉はもう残り少ない。何にでも前向きに取り組む姿勢に「選手生命の長いところ(理由)なんじゃないかなって思う」としみじみ語った。

5月にはW杯個人最多出場記録569試合が、ギネス記録に認定された。「またもっと頑張れば更新できるんだって気持ち」。士気は高まっている。【保坂果那】