アーチェリーでアテネ銀などオリンピック(五輪)2大会メダリストの山本博(57=日体大教)が、24年パリ五輪での悲願の金メダルへ、左右の最上部にある第1肋骨(ろっこつ)の一部を取り除く手術を受けることが17日、分かった。

指先のしびれなどの原因、「胸郭出口症候群」の修復手術。2つのメダルを射止めた“黄金の右腕”復活へ、16年の右肩再生治療以来2度目の手術。来夏に延期された東京五輪代表選考では既に敗退。「もう1度世界トップに戻りたい」と大きな決断を下した。

今月下旬に群馬県内の病院で手術を受ける。10年ほど前から勝負を左右する指先のしびれに悩まされてきた。診断は昨年4月。首から腕に向かう神経や血管が圧迫されることで肩や腕に痛みが生じ、競技に大きな影響を及ぼす。プロ野球選手の発症例が多いが、弓を放つ際に腕に大きな負担を強いるアーチェリーも例外ではないという。

今月上旬に症状が悪化。眠れないほどに痛みが増し、手術を決断。執刀医によると、症状は「上中下でいくと、中の上から上の下」。全身麻酔で首の付け根にある斜角筋を切り、圧迫の原因になっている第1肋骨を切除する。術後は約1カ月のリハビリを経て、10月の全日本ターゲット選手権で復帰するプランを描く。「あきらめたら、明日は変わらない。手術をして良くなる可能性があるなら、それに懸けたい」。ひたむきにトップを目指す「中年の星」に迷いはない。【平山連】

◆山本博(やまもと・ひろし)1962年(昭37)10月31日、横浜市生まれ。日体大3年時に出場した84年ロサンゼルス五輪で男子個人銅メダルを獲得。20年後の04年アテネ五輪で同銀メダル。現在は日体大教授や東京都体育協会会長を務めながら競技を続ける。