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今日のイベント

【大会】

国民体育大会冬季大会

▼会場

名古屋市ガイシプラザ

▼種目

成年女子ショートプログラム(SP、午前10時25分~午後2時5分)※競技時間は全て予定

成年男子フリー(午後2時20分~同5時45分)


今日の1枚

日刊スポーツが蓄積してきた写真の中から厳選して紹介します。

2020年12月28日
2020年12月28日

20年12月28日、メダリスト・オン・アイスで演技する宇野昌磨(代表撮影)。


今日の出来事

浅田真央がバンクーバー五輪前の4大陸選手権で優勝(2010年)

4大陸選手権<3日目>◇29日◇韓国・全州華山アイスリンク◇女子フリーほか

金メダルに80%近づいた! 浅田真央(19=中京大)が、最高の演技でバンクーバー五輪前の最後の大会を終えた。ショートプログラム(SP)3位で迎えた女子フリーで、国際大会では08年12月のGPファイナル以来2度目となる、2度のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に成功。同大会以来約1年1カ月ぶりに国際大会を制した。フリーの126・74点、総合183・96点とも今季自己最高。ライバル金妍児(韓国)が得意とするSPで後れを取っても、フリーで逆転できる見通しもついた。同じく五輪代表の鈴木明子(24=邦和スポーツランド)は173・72点で2位だった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

金メダルを争う最大のライバルの母国で、浅田が復活した。荘厳な「鐘」の調べに、観衆が静まり返る独特の雰囲気の中、冒頭で3回転半を完璧に決めた。「自信があった」と回転不足ではないと確信し、波に乗った。続けて跳んだ連続ジャンプは、後半の2回転トーループが回転不足と判定されたが、前半の3回転半はピタリと決めた。忘れかけていた演技中の笑顔が戻り、終盤は畳みかけた。

団体戦で争う昨年4月の世界国別対抗戦を除くと、一昨年12月のGPファイナル以来、約1年1カ月ぶりに立つ表彰台の中央で、珍しく君が代を口ずさんだ。優勝インタビューではマイクを握りしめ「カムサハムニダ」と、3戦3勝と相性の良い韓国の言葉で感謝の思いを伝えた。「(トリプル)アクセルを2つ決められたのは五輪につながる。金メダルにどのぐらい近づいた? 80%ぐらいかな」と、弾ける笑顔で話した。

フリーで2度の3回転半成功も、約1年1カ月ぶりだった。五輪まで1カ月を切り、他の金メダル候補は調整のため軒並み参加しなかった今大会。強行日程を承知の上で手に入れたかった、自信を取り戻した。何よりも優勝した08年世界選手権など、数々の国際大会で見せたフリーに強い「逆転の真央」が戻ってきた。

自ら追い込んだ。2度の3回転半は、単発が1度とトーループとの連続ジャンプが1度。従来は連続ジャンプを先に跳んでいた。規定で同じジャンプを跳べないため、仮に後半のトーループを跳べなくても、再度チャンスがあるからだ。だが今大会は初めて、意図的に単発から先に跳んだ。「最近は1発目は成功する。でも2発目にプレッシャーがかかる方を持ってきた」と、緊張の持続を2つとも成功させた理由に挙げた。

大会前は韓国のインターネット掲示板に「奇声を上げて集中力を途切れさせよう」などと、妨害を予告する書き込みもあった。宿泊ホテルの従業員による“盗撮”騒動もあった。そんな雑音も演技で黙らせた。

「難しいはずのフリーでこれだけできるのだから、SPは問題ない」。苦手意識も薄れてきた。最大のライバル金妍児(韓国)と演技要素点を比較すると、SPでは0・5点及ばないが、フリーでは2・35点も浅田の方が高く、普通に演じれば逆転できる。94年リレハンメル五輪から女子は、4大会連続で逆転金メダル劇が生まれている。心強いデータを背に、金メダルへと突き進む。