昨年6月に設立された「一般社団法人日本スポーツSDGs」が19日、都内で会見を開き、第1弾の企画として東京オリンピック(五輪)フェンシングエペ男子団体金メダリストの見延和靖(34=ネクサス)発案の「折れ剣再生プロジェクト」を行うと発表した。

練習中や試合で折れた剣を回収し、金属加工の専門企業の力を借り包丁やメダルに生まれ変わる。廃棄処分されていた剣について兼ねて問題意識を感じていた見延自らが、企画の意義や目標を説明した。

この団体はSDGsで挙げられた課題解決に向け、スポーツの力で貢献しようと発足した。今回企画された「折れ剣-」について見延は「剣は長くて半年、早いと1カ月で折れてしまい、その後は廃棄処分されるんです」。競技を始めた高校時代から問題意識を持っていたと言い、フランスなどから輸入される貴重品を折れてからも再利用できないかと考えた。

生まれ育った福井県越前市は刃物加工の産地で知られ、地元企業の力を借りて加工を依頼した。今後フェンシング協会の協力も借りながら折れてしまった剣を回収し、再利用品作りに活用する。見延は「ごみとして廃棄されたものが再生される活動を通して、しっかり次世代に向けてつなげることができる」と期待していた。【平山連】