GPシリーズ第2戦スケートカナダで初出場優勝の渡辺倫果(20=法政大)が、取材エリアで満面の笑みで切り出した。

「一番変わったのは、私の趣味の事(を知ってもらえた事)に関してですかね(笑い)」。

カナダの結果での変化を問われると、そう回答した。

趣味とは(甲殻類の一種の)ダイオウグソクムシのコレクション集めのこと。カナダでの優勝会見で「ダイオウグソクムシ愛」を語ったことで、より多くの人の知るところとなった。

出合いは中学生で訪れた水族館で、その歴史は長い。6年間断食をしていても生きられるなどの生態に魅了されたという。ぬいぐるみなどを集めている。

「うれしいですが、なんか気持ち悪いとも言われているので(笑い)。はい、そこが一番変わったんじゃないかなと思います」

もともとはGPシリーズは出場なしの予定だったが、代替出場で2試合が決まり、その1戦目で優勝。勢いに乗るニューヒロイン候補。この日の練習でもトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めるなど、母国での凱旋(がいせん)試合へ好気配を保つ。

滑りも趣味も。さらに印象づける舞台にしてみせる。【木下淳】