黒沢尻工(岩手)が残り1枠の全国切符をつかんだ。

仙台育英(宮城)に逆転勝ち。21-12で迎えた後半22分。新チームから主力の座を勝ち取ったNO8藤村仁胡(にこ、1年)がダメ押しトライを奪い、試合を決定づけた。かつて強力なFW陣を誇り、「赤べこ(東北地方の方言で牛)軍団」と呼ばれた古豪。4年ぶりとなる全国高校選抜ラグビー(3月24日開幕、埼玉・熊谷)出場を決め「全国1勝」を目標に掲げた。

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譲れなかった。ラスト1枚の選抜切符を懸けた仙台育英との大一番。黒沢尻工のNO8藤村が試合を決定づけた。9点リードの後半22分。敵陣ゴール前で確信した。「スペースを見つけたので、(トライ)できると思った」。パスをもらい、最後は相手DF陣を押し切った。右中間へダメ押しのトライ。「狙い通り」と、してやったりの表情で振り返った。

31度の花園出場を誇り、かつては強力なFW陣から「赤べこ」の異名を取った古豪。岩手・北上市出身の藤村にとって、同校は憧れの存在だった。「父も黒沢尻工のラグビー部で、自分も憧れはあった」と言う。ポジションはFW。伝統を受け継ぎ、主力としての自覚が芽生えてきた。「FW陣をしっかりまとめて、チームのために体を張って、前に出られるようにやっていきたい」と、強い決意を持って臨む。

スケールは日々増量中だ。新チームが始動し、新たな取り組みとして食事トレーニングを始めた。練習後、週1回のペースで800グラムの白米を平らげる。わずか約4カ月でほとんどの選手が体重を増やし、藤村も5キロ増と、対人でも当たり負けしない屈強な体を手に入れた。「成果は出ていると思う」と胸を張った。

数少ない全国への挑戦権をつかんだ。「全国の強豪と戦えることは、良い経験にもなる」と話し「まずは全国1勝を目指して戦っていきたい」。新たな目標を掲げ、春の全国舞台へ乗り込む。【佐藤究】