フィギュアスケート男子で10年バンクーバー五輪代表の織田信成(35)が、陰口などのモラルハラスメントで精神的苦痛を受け、関大アイススケート部の監督辞任に追い込まれたとして、19年11月に当時同部コーチだった浜田美栄氏(63)に1100万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁(松本明敏裁判長)は2日、請求を棄却した。
浜田氏も織田に対して名誉毀損(きそん)で損害賠償を求める訴訟を起こしており、同地裁は織田に対して220万円の賠償を命じる判決を出した。
22年12月1日には織田、浜田氏が出廷し、口頭弁論が行われた。その際の互いの主な主張は以下の通り。
◆17年3月、リンク内での浜田チームの選手の滑走
織田「(浜田氏不在でアシスタントコーチが指導しており)『こういう滑走は危ないのでやめてほしい』と浜田コーチに伝えると『分かりました。言っておくね』と言っていた。ただ5分ほどし、顔を真っ赤にして『あなたの言うことは間違っている!』と言われた」
浜田氏「(『あなたの言うことは間違っている』と言ったことは)ありません」
◆19年1月、アイススケート部の成績不良者が多く、3月から練習時間を変更
織田「浜田コーチは『学校も大切やもんね』と言っていたが、次の日からあいさつをしても全く返事がない」
浜田氏「(無視は)ありません」
◆19年5月、織田不在の会議で練習時間の変更撤回を決定
織田「前日に(他のコーチから)『会議があるけれど来る?』と言われた。会議が何かも分からない」
浜田氏「(織田が)いない時に会議で決めるのは良くないと思い(保護者等の意見を踏まえ)戻す(流れになっている)という話をしたら(織田は)『はいはい、別にいいですけど』と滑りながら言っていた」
◆19年9月の織田のブログ「関西大学アイススケート部監督辞任について」と、同10月掲載の「嫌がらせ・モラハラ行為について」
織田「(監督辞任は)浜田コーチからの数々の行為が原因。関西大学が(監督辞任について)『多忙なため』と広報し、事実と違った。(10月のブログは)提訴後、自分の言葉で説明したかった」
◆提訴後の週刊誌報道
織田「(取材に関して売り込みをしたことは)ない。(見出しにある『関大の女帝』という発言は言ったことが)ない。全くもって思っていない」
浜田氏「(織田のブログ、週刊誌報道などで)『この女、一筋縄にはいかない』など、ひどい誹謗(ひぼう)中傷を受けた。コンビニで買い物をしていて『あっ、モラハラコーチ』と言われたこともある」
◆思い
織田「長年指導しているコーチは発言力がある。風通しを良くして、若いコーチが育つ環境をつくりたい」
浜田氏「(判決が出るまでは)黙って法廷で、と思った。社会的にちゃんとした裁判の結論がほしいと思って、ここに立っている」


