2季連続出場の村元哉中(30)高橋大輔(37)組(関大KFSC)が、72.92点をマークし11位発進となった。

「Conga and Rhythm is Gonna Get You」など3曲を組み合わせたラテンがテーマ。テンポの速い曲調に、冒頭から大きな拍手が起きた。序盤のツイズル。高橋は「カウントミスしてしまって、ちょっと回りすぎた」と振り返った。回転数が1回転多くなった。「『いま何回転だったっけっ?』ってなって。『あ、やばい』と。でも、哉中ちゃん見たらもう終わりに入ってる、もう待っちゃってるみたいな感じで」と焦ったという。

ただ、そこから動揺しない。気持ちの揺れを押さえ込んですぐに次の動作に移った。「シーズン1年目だったら多分、相当あわてて最後まで引きずってたかもしれないですけど、3シーズン目になってから、結構いろんなミスとかあるんですけど、ミスした中でも動揺しなくなるようになりました」。成長が、ミスを最小限に収めた。レベルも最高難度4と取った。

中盤のミッドラインステップシークエンスに入る前に、大声援を感じられた。高橋は「どっちかっていうと2人の世界に入ってて、ミッドライン入る前に1番足に来るんですけど、あそこでお客さんの『わーっ』て盛り上がりで」とすれば、村元も「そこで本当に最後のエネルギーをもらってプログラムを終えられたので、本当にうれしかったです」と感謝した。

最終盤のローテショナルリフトへ入るとさらに会場をヒートアップさせ、演技を終えて2人で固く抱き合った。高橋は「全体を通してすごく良かった」とうなずいた。

「かなだい」としては2度目。16位だった昨年の悔しさを晴らす舞台になる。高橋自身としては、日本男子シングルの最高位(当時)となる銀メダルを手にした07年世界選手権以来、16年ぶりの母国での世界選手権になる。

25日のフリーダンスでは、06-07年シーズンのフリーで高橋が演じていた「オペラ座の怪人」を、2人で滑る。日本勢過去最高の10位以内に入れば、来年の世界選手権で日本が2枠を手にする。欧米が席巻してきた種目で、日本が複数枠を獲得するのは初となる。その目標を意識し過ぎた昨年の反省を生かし、今年は自分達の演技に集中することを重視する。結果としてそうなれば…。高橋は「(そうなれば)うれしいです。でも本当に金メダル取るぐらい大変なことなので、本当に目標です」と引き締まった表情で見据えた。

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