【プラハ=藤塚大輔】「ゆなすみ」こと長岡柚奈(20)森口澄士(すみただ、24)組(木下アカデミー)が4位入賞を収めた。
フリー3位の139・58点とし、合計209・13点。ともに自己ベストを更新し10位以内に入ったことで次回大会の日本の出場枠2を確保した。初のメダルにも6・96点と迫り、最下位だった2月のミラノ・コルティナ五輪から大躍進。五輪金の「りくりゅう」こと三浦璃来、木原龍一組に続き、日本の若きペアが躍動した。
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森口が喜びのあまり、長岡を抱きしめながらくるくると回った。満員の観衆から拍手が送られる中、笑い合った。最下位だったミラノ五輪から1カ月。表彰台に迫る好演で成長を示した。長岡は「絶対にここでリベンジするという強い気持ちで練習してきた。乗り越えられた」と胸を張り、森口も「報われる演技ができた」とかみしめた。
「自分ができることをしよう」。結果は気にせず、1つ1つの技に集中した。横並びでの3連続ジャンプを決め、長岡が森口に投げられながら跳ぶスロー3回転ジャンプも2本着氷。課題としてきたジャンプ系の要素で着実に得点を重ねた。長岡は「心から楽しんで滑れた」と実感を込めた。
苦難に屈しなかった。初出場だった昨年の世界選手権は23組中22位。「迷惑ばかりかけている。もう辞める」と現地で解散を申し出た。森口は3日がかりで引き留め「僕は柚奈ちゃんとしかペアをやらない」と説得した。五輪で最下位になった時も、長岡は「私よりもっと良いペアがいる」と漏らしたが、森口は「そんなわけないやろ」と返した。森口は相方の努力を知っていた。毎日自主的に走っていること。練習の合間でも体幹トレーニングを欠かさなかったこと。だから「もっと自信を持ってほしい」と引き留めた。2人で失意を乗り越えや先に、この日の結果が待っていた。
五輪金の「りくりゅう」に続く存在として、30年五輪へ突き進む。森口は「まだ直せるところもある。伸びしろを感じられて幸せ」とさらなる成長に期待した。2人の瞳には、明るい未来が映っている。
◆ゆなすみのミラノ五輪 SPで2人横並びの3回転ジャンプ、長岡が森口に投げられながら跳ぶスロー3回転ジャンプでともに転倒。59・62点で最下位となり、フリー進出ラインの16位に届かず。今季世界9位の合計点を保持して挑むも、ほろ苦い初五輪だった。


