<阪神3-4横浜>◇10日◇甲子園

 惜しい、あとちょっとやったけど…。阪神が9回、サヨナラのチャンスをつくりながらも横浜に1点差で惜敗した。先制2ランの浅井良外野手(30)が、9回は1点差に追い上げる犠飛を放つなど全3打点と気を吐いた。ところがクリーンアップが横浜清水に苦戦し、この日はそろって無安打。チームの連続2ケタ安打試合も7でストップした。デーゲームで巨人が中日に負け、勝てば0・5差に迫ることができたが、残念無念。まあ、最後の追い上げを今日の試合につなげてや~。

 湿り気のある風を吹き飛ばす大声援。土曜日の夜、今季最多4万6911人を詰め込んだ甲子園のボルテージは最高潮に達していた。期待の大きさを肌で感じていたから、浅井は悔しさを隠せない。試合後の通路。最低限の仕事を果たせたのでは?

 そんな問いかけにポツリとひと言つぶやいた。「いや、打ちたかったです…」。

 2点を追う9回1死満塁。一打同点、長打が出ればサヨナラ。押せ押せムードの中で打席に立ち、果敢に食らいついた。マウンド上にはハマの守護神山口。2ストライクからの3球目、高めのつり球にバットが回ったかに見えたが判定はスイングなし。そしてフルカウントからの8球目。外角146キロ直球を右翼へ打ち上げ、犠牲フライ…。これで1点差。ただ引き換えに2アウト目を献上し、結果的に試合に負けた。

 ただ、接戦を演出した主役は間違いなく浅井だ。2回1死二塁。カウント0-1から、先発清水の内寄りの直球系143キロをミートした。「1、2、3で振り抜いたらホームランになりました。思い切っていこうと思っていた」。左翼席に今季2号となる先制2ランをたたき込み、完全に流れを呼び込んだ。4回2死一塁からも右前打でチャンスメーク。2安打3打点で全得点をもたらし、猛虎の層の厚さを印象づけた。

 前日9日横浜戦(甲子園)は1点を追う8回裏に大和、上本の俊足若虎コンビが足でかき回し、逆転劇のヒーローとなった。この日は8番浅井3打点の裏で7番林も2安打1得点。強力打線を支える縁の下の力持ちたち、脇役の存在が連日光る。中でも浅井は7月3日巨人戦(東京ドーム)から7戦連続スタメン。この間、24打数11安打で打率4割5分8厘と打ちまくっている。

 浅井同様、林のコメントにも悔しさがにじみ出た。「(自分の)結果は良かったけど、勝ちたかった…」。ナイン全員が抱く、勝利への執着心が頼もしい。首位巨人はこの日も中日に敗れ、1・5ゲーム差は変わらず。Gの背中は依然、射程内だ。13日から甲子園でスタートする首位攻防3連戦まで、残り1試合。再び勢いを取り戻し、宿敵討ちの準備を整える。【佐井陽介】

 [2010年7月11日12時2分

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