<陸上:第82回日本学生陸上競技対校選手権大会>◇最終日◇8日◇東京・国立競技場

 男子円盤投げは大学院2年生の堤雄司(23=国士大)が3投目に59メートル21の学生新、日本歴代3位を投げて6連覇を達成した。

 今大会の連勝最多記録は、旧制の学制だった戦前に男子棒高跳びで5連勝が2回あるが、戦後は大学院生の参加が認められなかった時代が長く、6連勝は今回の堤が初めて。「学生で4連覇した人間が、院生になって学生に負けるわけがありませんから」と、6連勝に対して堤自身に感慨はない。

 堤がこだわったのは記録で、この大会で60メートルを投げるつもりだった。7月にはユニバーシアードで8位に入賞し、技術的にも得るものがあった。「ターンの技術は参加選手中で自分が1番だと思いました。違いは振りきりの部分で、そこは力の差が出てしまう。そこに帰国してから取り組みました。今日の1、2投目は肩が開いてうまくできませんでしたが、3投目は遠心力をとらえるところが少しはできたと思います」。

 堤の目標は五輪種目では最も古い日本記録(60メートル22=1979年)の更新と、その先にあるオリンピック出場だ。「今朝、東京開催が決まりましたが、僕の目標は元から2020年のオリンピックで決勝に残ることでした。そのために来年のアジア大会、再来年の北京世界陸上、そしてリオ五輪とステップアップしていく予定です」。

 男子円盤投げ最後の五輪出場は1964年東京大会。その会場だった国立競技場で投てきのホープが気勢をあげた。