<陸上:全日本実業団対抗選手権>◇第2日◇21日◇埼玉・熊谷スポーツ公園陸上競技場

 男子ハンマー投げは野口裕史(30=群馬綜合ガードシステム)が70メートル24のシーズンベストを5回目に投げて3度目の優勝を達成した。

 この種目は室伏広治(38=ミズノ)が来年の日本選手権で、20連覇を狙うと明言している。日本選手権では例年2位以下は大差をつけられているが、近年2番手のポジションに定着し、室伏が調整不足で臨んだ昨年は1メートル63差まで迫ったのが野口である。

 「(来年の日本選手権は)みんながガンガン記録を出して、日本のハンマー投界が室伏さんを目標にやっていることを見せないといけない。それが室伏さんの20連覇に花を添えることになると思います」

 室伏は近年、6月の日本選手権に最低ラインの記録を投げられるように調整して出場し、夏の世界陸上と五輪にシーズンのピークを合わせている。今年は「75メートル」を投げられるようにして出場して76メートル42だった。

 野口の自己ベストは71メートル58の日本歴代5位だが、70メートル以上は幾度となく投げている。来年の日本選手権で75メートルまで伸ばすことが室伏の20連覇を止める最低条件だろう。「今日は左側の重心に乗ったターンができました。6投目は思い切り行って右手でハンマーを引きすぎてしまいましたが、そこができれば74メートルとかの可能性はある。今日をそのきっかけにしたい」

 1年前のように、室伏が野口の記録を気にするところまで迫りたい。