トラック&フィールドでは秋の全国大会第4弾となる日本ジュニア・ユース選手権が行われ、未来の日本陸上界を背負って立つ有望選手が多数出場する。ロードでは全日本実業団対抗女子駅伝の地区予選2大会と箱根駅伝予選会が行われ、駅伝シーズンも本格化する。

 日本ジュニア・ユース選手権はU20のジュニアと、U18のユースと2つの年代別選手権が併催される。桐生祥秀(37=洛南高)はジュニア男子100メートルと200メートルにエントリーしているが、出場するかどうかは流動的。200メートルだけ走るという情報もある。

 桐生の200メートルのベストは20秒41で高校記録だが、日本歴代では9位。歴代2位(10秒01)の100メートルと比べると力を出し切っていない。20秒29のジュニア日本記録はレベルが高いが、風などの気象条件に恵まれればチャンスはある。今年5月に20秒35で走った橋元晃志(18=早大)との対決も注目される。

 ジュニア男子三段跳びには国体で16メートル10と、高校生初の16メートル台をマークした山本凌雅(18=諫早農高)が出場。16メートル29のジュニア日本記録更新を目標に掲げている。

 ジュニア女子100メートルには土井杏南(18=埼玉栄高)がエントリーした。ロンドン五輪4×100メートルリレーに戦後最年少出場を果たした期待の若手だが、今季はシーズン前に腰痛に悩まされた影響で本来の走りが影をひそめている。アジア選手権代表だった藤森安奈(18=青学大)との“アンナ対決”で調子を取り戻したい。

 箱根駅伝予選会は20キロの個人レースを行い、上位10人の合計タイムでチーム順位が決まる。正月の本戦が90回記念大会で23校が出場できるため、上位13校が予選会を通過できる。

 トップ通過候補の筆頭は山梨学院大。ケニア人留学生のエノック・オムワンバ(20)と日本人エースの井上大仁(20)が強力で、他のメンバーも大崩れしないたくましさが感じられる。

 台風の目となりそうなのは東海大だ。“高校長距離界最高の指導者”と言われた両角速監督(47)が昨年着任したが、前回はまさかの予選落ちを喫して連続出場が「40」で途切れた。今季は1万メートルで28分台が4人、平均タイムも予選校ではトップと立て直してきた。

 懸念されるのは主力に1年生が多いこと。学生となって6カ月では、20キロの距離に対応するのは難しい。

 実業団女子駅伝西日本大会には銅メダルの福士加代子(31=ワコール)、4位の木崎良子(28=ダイハツ)、そして野口みずき(35=シスメックス)とモスクワ世界陸上代表3人が揃う。天満屋を加えた前年の上位4チームの争いとなりそうだ。

 中日本大会は昨年の全国大会2位と健闘したデンソーが充実している。【10月後半の主な陸上競技大会】10月18日~20日:日本ジュニア・ユース選手権(名古屋)10月19日:実業団・学生対抗(神奈川県平塚)10月19日:箱根駅伝予選会(東京都立川)10月20日:実業団女子駅伝中日本大会(岐阜)10月27日:全日本大学女子駅伝(仙台)10月27日:実業団女子駅伝西日本大会(福岡県宗像)10月27日:全日本競歩高畠大会(山形県高畠)