カンボジア代表としてロンドン五輪男子マラソン出場が認められなかったお笑いタレント、猫ひろし(34)が12日、都内で会見を行い、再び同国代表として4年後のリオデジャネイロ五輪出場を目指す意欲を示した。“芸人兼ランナー”のスタンスは変えず、練習の拠点は「どうなるか分からない」と言うなど微妙な胸中をうかがわせた。会見には同国五輪委員会の事務局長も出席。猫のライバルとされた選手も五輪代表に選ばないことを示唆した。

 スーツ姿で登場した猫は、冒頭「本当に残念です」と本音を口にした。一方で「ランナーとしてはタイムが伸びているので、来年の世界陸上など国際大会にカンボジア代表として出られるように頑張っていきます。4年後のリオデジャネイロの五輪もチャンスがあれば挑戦できればと」と語った。

 「五輪出場消滅」の報告は、既に報道が始まっていた8日午後9時過ぎ、コーチから伝えられたという。「正直、悔しかったです。でも、まだ終わりじゃない」とすぐに自分を奮い立たせたことを明かした。その上で、本来なら走るはずだったロンドン五輪マラソンの当日の過ごし方について、「営業がなければ、カンボジアを応援していると思います。当然、日本人も応援します」と言った。

 猫は昨年10月にカンボジア国籍を取得し、今年2月の別府大分毎日マラソンで2時間30分26秒を記録。五輪参加標準記録2時間18分に届かないが、同国にも達した選手がいないことで、特別枠として3月に代表に選ばれた。しかし、5月に入り、国際陸上競技連盟から「カンボジア代表で出場できるのは今年10月以降」と通告が届き、参加資格を満たしていないことが判明。条件とされる「連続した1年の居住」の実績が疑問視された形だ。

 今後の活動について、猫は「ずっと芸人でした。カンボジアを行き来しますが、スタンスを変えず芸人をやりながらランニングをやります」と、“芸人兼ランナー”の継続を宣言。続けて報道陣から「活動の拠点は日本か」と問われると「そうですね。はい」と返したが、「練習もか」と問われると「昨年はカンボジアの方が長かった。大会があればカンボジアに行くし、どうなるか分からない。今まで通りだと思う」。現実は日本にコーチがおり、国内での調整が主だったが、カンボジア人の立場もあってか、微妙な言い回しになった。