ティーンエージャーが歴史を作れるか-。最後の開催となる第6回横浜国際女子マラソン(16日午後0時10分、日刊スポーツ新聞社後援)の招待選手会見が14日、横浜市内で行われた。注目は19歳で初マラソンに挑む全国的には無名の岩出玲亜(ノーリツ)だ。

 目力が異彩を放つ。それでいて落ち着き払った言葉遣いで岩出は口を開いた。「10代でマラソンを始める人は、ほとんどいない。人がやっていないことをやって強くなるというのが私の中にある。12月で二十歳になるので、それまでに成し遂げたいと思いました」。

 2年前の12月。愛知・豊川高で全国高校駅伝1区を走り5位。V候補のチームは準優勝止まり。「自分のせいで負けた。一生忘れない」と心に刻み実業団入りした。昨年12月にハーフマラソンでジュニア日本最高を樹立し、世界ハーフも経験。練習の走行距離は1日最長30キロも、昨冬は月間1000キロを走破した。

 目標は00年長野マラソンで、堀江知佳(当時積水化学)が出した2時間29分12秒の20歳未満日本女子最高記録。「歴史の新たな1ページを作りたい」と。帝京大ラグビー部の岩出雅之監督をおじに持つ秘密兵器が、いよいよベールを脱ぐ。

 ◆岩出玲亜(いわで・れいあ)1994年(平6)12月8日生まれ、三重県津市出身。一志中では全国中学駅伝7位(2区7位)、愛知・豊川高3年の全国高校駅伝2位(1区5位)。154センチ、40キロ。