<全国高校駅伝女子>◇25日◇京都・西京極陸上競技場発着(5区間21・0975キロ)◇47校

 女子の仙台育英(宮城)が東北勢最高の1時間8分19秒で2年連続の3位入賞を決めた。2区の1年生・関根花観が9人抜き、ケニア人留学生の5区メリー・ワイディラ(2年)も7人抜きの快走でメダル獲得に貢献した。

 過去2度の優勝を誇る仙台育英の女子が、2年連続15度目の入賞を7度目のメダル獲得で飾った。10位でタスキを受けた5区ワイディラが着実に順位を上げ、3位の須磨学園(兵庫)と約30メートル差のトラック勝負に持ち込んだ。残り400メートルで逆転し、アンカーとして2年連続の3位でゴールした。歴代2位になる15分20秒の区間賞。昨年は4位でタスキを受け、1人しか抜けなかったワイディラは「(3位まで)ハンティングできた」と振り返った。

 昨年と同じ銅メダル。だが、その喜びは一味違った。前回はライバル校が自滅して拾った3位。その時のメンバー4人が残るチームは今季、8位入賞を目標に練習してきた。3月の東日本大震災で荒浜地区(仙台市若林区)にあった練習コースが津波で流失。約2週間、活動休止になった。2月にケニアに帰国していたワイディラも7月まで再来日できなかった。宮城県の駅伝コースも被害を受け、代表決定を優先した県大会は距離が短い自衛隊駐屯地内の周回コースで行われた。昨年全国1区を走った天羽彩佳(2年)も秋口に左鎖骨骨折して戦線離脱。選手たちは多くの苦難を乗り越えて結果を出した。

 天羽に代わって出場した関根も、初めての都大路でチームに流れを呼び込んだ。17位でタスキを受け、区間4位の8位でタスキをリレー。9月まで右足靱帯(じんたい)を痛めていたが、「とにかく前に行くことを考えていて、何人抜いたか覚えていません。(後で聞いて)びっくりしました。もっと練習して来年は区間賞を狙って走りたい」と積極的な走りを振り返った。

 4区北山愛理(3年)も2年ぶりの都大路で、昨年メンバー落ちした悔しさを晴らした。復調が期待される天羽を含め、来年もメンバー4人が残る。優勝候補に挙げられていた男子が12位に沈み、喜び半分の清野純一監督(27)は「男女とも頑張ってきた結果。それを踏まえてスタートを切りたい」とこれからを見据えた。【佐々木雄高】