クリケットの日本代表が9日、男子ワールドカップ(W杯)東アジア太平洋予選で白星発進した。今年9月に開幕する愛知・名古屋アジア大会のテスト運営を兼ねて、同県日進市の口論義運動公園で1次リーグ1組の初戦を迎え、バヌアツに123-93で快勝。ロースコアゲームとなったが、複数のシックス(6得点=ホームラン)などで得点を重ね、堅守で逃げ切った。
英国発祥で、野球の原型とされるクリケット。世界ではサッカーに次ぐ2位の競技人口3億人とされている。日本では板球(ばんきゅう)と略されるように、平たいバットで硬球を打って最少1点からのスコアを争う。打席から360度どこに打ってもよく、打球が楕円形のフィールド外周の境界線(バウンダリー)をノーバウンドで越えると6点、ワンバウンド以上で到達すると4点、など8種類の得点パターンがある。
先攻の日本は、主将の門脇フレミング・ケンデルがバッツマン(打者)として引っ張り「300人くらい応援に来てくれて、うれしかった。昨夜、観戦した野球(中日戦)の魅力はホームラン。あっても1試合に2、3本だと思うけど、それと一緒のシックス(6点)がクリケットは20回くらい出る。そこが楽しい」。ボウラー(投手)も、強風を生かした変化球を軸に反撃を防いだ。
中学まで野球部で、クリケット部がある大阪・上宮高から競技を始めた宮内渉も守備で貢献し「最終目標がW杯出場という中、今回のテーマは適応性。新しいグラウンド、コンディション、天気、今日で言えば風がものすごく強かった中、どうベストパフォーマンスを出すか。考えた結果が勝利につながった。五輪種目に入って楽しみだし、認知度が向上にしてくれればうれしい」と笑顔を見せた。
28年ロサンゼルス五輪の正式競技。1900年パリ大会以来128年ぶりに実施されることが23年に決まり、男女日本代表はトップパートナーの三井情報(MIKI)などの支援を受けながら強化を進めている。
五輪採用を受け、アジア・オリンピック評議会(OCA)の要望で昨年4月、急きょ今秋アジア大会の追加競技になることも決定。愛知県が、名古屋市に隣接する日進市の口論義運動公園の野球場を、芝の張り替えなど約3億円かけて整備した。
このW杯予選も、五輪と同じ国際ルールで実施。男女とも約3時間で決着がつく短期戦の「T20形式」で行われた。10日はフィジーと対戦。1次リーグを突破すれば「日本の聖地」栃木・佐野市国際クリケット場で開催される決勝トーナメント(スーパーシックスステージ)に進出する。【木下淳】


