F1欧州GP(スペイン・バレンシア市街地コース、23日決勝)での現役復帰を目指していた元年間総合王者のミハエル・シューマッハー(40=ドイツ)が11日、首の痛みのため復帰を断念した。復帰に向けたテストなどを行ってきたが、2月にオートバイでの事故で故障した首に痛みが出るなど、万全な体調で臨めないと判断した。

 シューマッハーは自身の公式サイトで「極度のストレスに首が耐えられない。本当に失望している」とのコメントを発表。06年の引退以来、約2年10カ月ぶりのF1復帰は消滅した。

 年間総合王者に7度輝き「皇帝」の異名を取るシューマッハーは、7月25日のハンガリーGP予選でマッサが頭部骨折の重傷を負ったことで、代役として白羽の矢を立てられた。フェラーリのモンテゼモロ会長とドメニカリ代表から電話でドライバー復帰を正式要請され「古巣の不幸な状況を見過ごすことはできない」と快諾。欧州GPに参戦する見通しだった。

 シューマッハーの復帰断念により、フェラーリはテストドライバーのルカ・バドエル(38=イタリア)を出場させる予定となった。