金メダリスト候補が集まる社会人競泳チーム「平井クラブ」(仮称)が来春にも誕生する。日本代表の平井伯昌ヘッドコーチ(48)が25日、公認記録会が行われた東京SCで仰天プランを明かした。社会人スイマーの受け皿として、来春から指導する東洋大の施設を使ってクラブチームを立ち上げるというもの。大学側との交渉やスポンサー獲得が順調に進めば、日本初の画期的クラブができる。

 メンバーは超豪華だ。平井氏に師事する寺川綾(28=ミズノ)ら「東京SC3人娘」に加え、現役続行を正式に決断すればバタフライの松田丈志(28=コスモス薬品)も合流予定。五輪銅メダリスト萩野公介(18)や世界記録を持つ山口観弘(18)ら東洋大組とともに「大学の垣根を越えて、一緒に練習させたい」と萩野のライバル瀬戸大也(18=早大)が参加する可能性もある。16年リオデジャネイロ五輪で金メダルを狙う「高3トリオ」が集結する。

 「最も重要になる」というスタッフには、日本水連競泳委員で品川女子学院監督の田垣貞俊氏を招請。東洋大プールに隣接する国立スポーツ科学センター(JIS)やナショナルトレーニングセンター(NTC)もフル活用する。「朝から晩まで、一日中コーチする覚悟ですよ」と笑った。

 法人化やスポンサー獲得など、やるべきことは山積しているが「競技寿命が延びた今、必要なのは社会人選手のための組織づくり」という。かつて指導し、今は米国を拠点とする北島康介からも本場のクラブ事情など情報を収集する。年明けには松田らベテラン組でグアム合宿も予定。「平井クラブ」が、来年の世界選手権、16年リオ五輪に向けてスタートを切る。