競泳男子平泳ぎの北島康介(30=日本コカ・コーラ)が勝負度外視で日本選手権(11日開幕、新潟・長岡)に挑む。7日、都内で練習を公開。50、100メートルの2種目で出場する再起戦には、7月の世界選手権(スペイン・バルセロナ)の出場権が懸かる。長期休養で欠場した09年以外は世界大会の切符を勝ち取ってきたが「ガチで勝負という感じではない」とマイペースを強調した。
かつてのビッグマウスはない。昨年ロンドン五輪から再起戦となる日本選手権まであと4日。練習を公開した北島は「焦っても仕方ないけど、なかなか練習しても、思うようにいかないことがたくさんある」ともどかしそうに言った。続けて「水泳を楽しむ。それが今のスタイル」と勝負度外視の姿勢を口にした。
今年から恩師の平井伯昌氏(50)と約5年ぶりにタッグを再結成。日本選手権に出場するレベルには持ってきたが、まだ勝ち抜くレベルに到達しない。同門で昨年9月に200メートルの世界記録を樹立した山口観弘(18)との代表争いについても「勝負できる段階ではない。若さと勢いをもらう」と話すにとどめた。
今年の世界選手権は、10年前に100、200メートルで世界記録を出し優勝したバルセロナで開催される。思い出の地だが「世界選手権のうまみをどこで得られるか。世界記録が目標でもないし…。本音でいえば、若いやつに経験させた方がいいと思う」と後進に道を譲る考えまで示した。
アテネ、北京五輪連覇で4個の金メダルを得た。ロンドン五輪後、現役続行を決断したが、30歳は世界で勝つことより、今は底辺拡大など、水泳界全体を考える。それでも再指導して約3カ月の平井氏は「先々週まで体は動かなかったが、今週に入ってやれそうなにおいは出てきた」と期待。ここぞの集中力と抜群の勝負強さを持つ。10年以上も日本を引っ張ってきた第一人者が、国内で簡単に負ける姿は見たくない。【田口潤】


