1位指名選手を公表する球団が相次いだのは、時代の流れではないだろうか。さまざまな分野で公明正大さが求められる昨今。ドラフトも逆指名制度が廃止され、各球団がガラス張りの姿勢を示すことに、より重きを置くようになったと映る。

事前に手の内を明かすことは、他球団と駆け引きなどせず、純粋に“最上位に位置付けている”という意思表示になる。これは1位候補選手の多い、少ないとは関係ないだろう。もちろん、オープンにしないことが悪いというわけでは決してない。「とにかく、うちの球団に来てほしい」という誠意や熱意を、公表という形で表す球団が増えたということだと感じる。

翌年だけでなく、中長期的視野で戦力強化を考えるのがドラフト。編成上欲しい選手を、どれだけ多く獲得出来るか。そのため他球団の動向を探ることも重要になる。情報戦という意味では、事前公表することで競合が減る可能性もゼロではない。「あそこが指名するなら、うちは回避して違う選手を」と考える球団が出れば抽選に臨む分母が減り、交渉権を得られる確率は上がる。目玉選手となればなおさらだ。ただ、これは公表する狙いの第一義ではなく、2次的なメリットだと思う。

ドラフト会議はシミュレーション通りにはいかない。会場内で話し合い、決断するケースも多い。各球団の戦略も含め、どのようなドラフトになるか、楽しみにしたい。(日刊スポーツ評論家)