奇跡的な勝利から一夜明け、弾みがつくのかと思ったら最下位チームに大敗した。

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奇跡的な勝利から一夜明け、弾みがつくのかと思ったら最下位チームに大敗した。

梨田 信じられないような勝ち方をした翌日だから序盤が大事だったが、アルカンタラの調整がうまくいかなかったのは明らかだった。3回計40球を投げたうち30球がストライクで、ボールの出し入れで勝負ができなかった。まんまと早打ちのDeNAにつかまった。坂本はしっかりと腕が振れたストレートに速さを感じたし、変化球もちりばめられたが、阪神の攻撃が淡泊で、もっと粘り強くいきたかった。

DeNAの左腕坂本は4月23日の甲子園で6回3安打1失点で抑えられて以来、2試合目だった。7回5安打1失点。球数も96球で乗り切られた。

梨田 首をかしげたのは5回だ。佐藤輝が遊飛、梅野は三ゴロ、中野が一塁側にセーフティーバントを決めたが、3人とも初球だった。次の9番二保に代打(陽川)が出るのは分かっていたし、もし中野がアウトになっていたら3球でチェンジになっていたところだ。前の日に打ち込んだDeNA抑えの三嶋がベンチ入りしていないのは分かっているわけで、坂本にはもっとしつこい攻めをすべきだった。何をしとるんだ? と思いながらみていた。

リーグ戦再開後は負け越している阪神だが、それでも前半戦を首位で折り返すことになった。

梨田 サンズ、大山、佐藤輝は波があるし、打線はつながりを欠いている。右で計算のできるリリーフも見いだしたい。後半戦に向けていったん疲れをとって、キャンプをするぐらいでいい。うまく調整し、新たに開幕を迎える気持ちで臨みたい。巨人、ヤクルトと三つどもえになる可能性も出てきた。後半戦は波乱含みだ。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】