ロッテは、もっと補強しなくていいのか? このオフ、最下位に終わったロッテのファンから、何度となく、そういう意見を耳にした。ここまでの補強状況を整理してみる。

 ドラフト8人(うち育成2人)

 外国人投手2人(ボルシンガー、オルモス)

 以上だ。

 これにより、12月23日時点の支配下選手は計61人となった。上限の70人まで、まだまだ余裕がある。だから「もっと補強を」となるわけだが、61人には次の選手が含まれていない。

 涌井(海外FA権行使)

 スタンリッジ(残留交渉中)

 ペーニャ(残留交渉中)

 仮に、彼らが全員残留すれば、計64人。さらに、球団はあと2人の外国人選手(大砲と抑え候補が有力)を探している。そうすると、66人になる。

 さらに、現在、3人の育成選手(安江、和田、森)を抱える。彼らを支配下とする場合に備え、最大2人の枠を空けておくとする。そうなると、68人。シーズン中の不測の事態(けが人続出や外国人の不振による緊急補強など)のために、1、2枠を空けるとすれば、実は、もういっぱいなのかも知れない。

 補強すべき、という声は、新外国人だけでなく、他球団を自由契約となった選手が念頭にあるのだと思う。確かに、このオフは、実績十分だが来季所属が未定という選手が結構いる。そういう選手を補強して欲しいというファンの気持ちは理解できる。今なら、獲得できるチャンスは高いだろう。育成のための枠を1人に減らすなどすれば、枠は作れる。それでも、今のところ、表だった動きは見られない。なぜか。

 答えは、重光オーナー代行の言葉にありそうだ。

 5日の新入団選手発表会に出席。「今年は成績が悪かった。来年は、ぜひ優勝と言いたいところですが、目先の勝利にこだわらず、2、3年後に優勝するチームづくりをと、監督にお願いしました」と話した。井口新監督は、来季は3年契約の1年目。目先の勝利のために補強するのではなく、数年先を見据え、今いる選手の底上げを優先する。そういう球団方針を示した。ここ数年は、新外国人だけでなく、他球団を戦力外となった選手も積極的に獲得。常に「最低でもAクラス」を掲げてきた。もちろん、最初からAクラスや優勝を放棄しているわけではないが、方針転換と言っていいだろう。

 ロッテを3年間、担当した。新しいロッテがどうなるのか、来年からは別チームの担当として見ていきたい。【ロッテ担当=古川真弥】