新しい環境になじむことは簡単なことではない。スポーツ選手でもサラリーマンでも同じことが言える。私も昨年12月に阪神担当からオリックス担当に替わり、選手や関係者に名前と顔を覚えてもらうのに苦労している。阪神にFA移籍した西勇輝投手(28)の人的補償で加入した竹安大知投手(24)もその1人で、10日に新天地での練習をスタートさせた。

しかし知人がいるのはかなり心強いと思う。オリックスには元阪神の選手が2人いる。竹安と同じ投手の金田と岩本だ。金田は竹安の加入を聞き、「すんなり入りやすい環境はつくってあげたい。そこからは野球の勝負になる」と話していた。この2人に加えもう1人、竹安が社会人時代にチームメートだった選手がいた。ドラフト3位の荒西祐大投手(26=ホンダ熊本)だ。

竹安は静岡・伊東商を卒業後、熊本ゴールデンラークスに入団。その当時14年7月に行われた都市対抗野球大会に「ホンダ熊本」の補強選手として出場していた。補強選手とは都市対抗野球独自のルールで、各地区代表チームが同地区の地方予選で敗退したチームから選手をレンタルすることができる制度。それにより、三菱日立パワーシステムズ横浜戦で荒西が先発、竹安が中継ぎとして登板していた。

竹安は当時の荒西について「グイグイいく感じで、力で押し切っていく感じの投手でした」と振り返る。5年の時を経てプロの舞台で再びチームメートとなった。「そうはいってもライバルなので。でも知り合いがいるのは心強いですね」。両者ともにオリックスの新戦力としてしのぎを削り活躍することで、古巣熊本にまで名をとどろかせてほしい。【オリックス担当 古財稜明】