伝統校らしく応援席にはベテランのファンがいた。倉敷商を応援して57年という剱持憲(けんもつ・けん)さん(73)。倉敷商入学時から野球部を応援してきた「老神様」だ。73年から33年にわたって倉敷商の監督を務めた長谷川登さんとは3年5組の同級生。OBの星野仙一さんの4学年下にあたり、この日も星野さんによる「夢」があしらわれたタオルとともに応援した。
倉敷商の魅力は、「粘り強さ、チームワーク、うまくて味がある野球をする」。試合観戦予定がびっしり書き込まれたスケジュール帳は40冊目。「推し活」は継続中だ。
43歳の頃に、20日間高熱に苦しめられ、医師から「アウト」と言われるまでの状況に陥った。そんな時に願ったのは、「倉商の野球を60歳まで見たい」。無事に回復してから、その愛はさらに深まった。
7回の時点では1-2だったが、「9回までに何かが起こるよ」と予言。57年見てきた粘り強さが発揮されると信じていた。その通り、倉敷商は8回と9回に加点してサヨナラ勝ち。熱烈ファンが、歴史の重みを感じさせてくれた。【永田淳】

