広島の主砲鈴木誠也外野手(25)が21日、後輩たちの視線をくぎづけにした。

初合流の大野練習場での合同自主トレで打撃ケージに入ると、チームメートは練習の手を止めた。力強いスイングにつぶされたような白球が防球ネットを突き刺すように食い込んだ。“生誠也”に、ティー打撃を行っていた新人野手は立ち尽くして見ていた。ドラフト4位の韮沢雄也内野手(18=花咲徳栄)は「やばいっす。思わず見入っちゃいました」と目を丸くし、同2位の宇草孔基外野手(22=法大)も「やばいっす。感動しました」と笑うしかなかった。

前日20日に宮崎・串間での合同自主トレを打ち上げた。「1人1人が目的意識を持った自主トレだった。新しい発見もあったので良かった」。先輩堂林や野間もいたが、助言を求められる立場。感覚や技術を言葉にすることで再確認できることも多かった。この日の全体練習の終盤には隣町出身の宇草に歩み寄り、笑顔でコミュニケーションを図った。声をかけられた新人は「モチベーションが上がる。なんでもいいので、吸収できればと思います」と大喜びだった。

鈴木誠は11日後に迫ったキャンプに向けて「開幕も早いので、みんな体を仕上げてきていると思う。僕も負けずにやっていきたい」と新人に劣らぬ意欲を示した。【前原淳】