日本ハムは「日本生命セ・パ交流戦」のDeNA戦に、1-4で敗れて2カード連続で負け越した。高卒3年目の万波中正外野手(21)が2回、通算21試合目、45打席目で待望のプロ1号。1度は同点としたが、追加点を奪えなかった。

来月開幕する東京オリンピック(五輪)の影響で、札幌ドームでの次回試合は68日後。しばしのお別れを前に、本拠地ファンへ白星を届けることは出来なかった。

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あふれる才能が、沈んでいた札幌ドームの空気を変えた。万波が、待ってましたのアーチを本拠地に架けた。1点を追う2回、DeNA今永の初球カットボールをバットの先で拾い、左中間席へ。「ちょっと興奮気味で(頭が)真っ白」。通算21試合目、45打席目で飛び出したプロ初本塁打に、一塁をまわると控えめに両拳を握った。

横浜高時代には、1年生で横浜スタジアムの電光掲示板下部の看板を直撃するアーチを放ち、注目を浴びた。プロ入り3年目。成長した部分は、たくさんある。バットが大回りせず、最短距離で出るようになった。5月16日に今季2度目の2軍落ちをしてからは、リラックスした状態で打席に立つように心掛けている。 この日は7回にも、あと少しでフェンスオーバーという左中間二塁打を放ち“飛ばし屋”の本領を発揮。「ああいうのを、しっかりスタンドに届かせるように」と悔しがったが、新人だった19年3月のオープン戦を振り返って「プロに入って、初めて打席に立ったのが今永投手で。その時は手も足も出なかった。その投手から打てたというのは自分の成長を感じられます」と、2本の長打に胸を張った。

栗山監督は「あれを期待していたので、小さくならないで、大きなスケールでやって欲しい」と期待を口にした。チームは2カード連続で負け越し、札幌ドームでの前半戦ラストゲームを白星で飾れなかった。それでも、今後へ向けた明るい材料は、ある。【中島宙恵】

◆万波中正(まんなみ・ちゅうせい)2000年(平12)4月7日、コンゴ出身の父と日本人の母の間に生まれた。東京都出身。小2で野球を始め、開進二中では東練馬シニアに所属。陸上部では砲丸投げで都大会優勝。横浜では2年夏、3年の夏甲子園出場。18年ドラフト4位で日本ハム入団。19年8月14日ロッテ戦で1軍デビュー。今年の4月10日オリックス戦で初安打。通算21試合46打数8安打3打点、打率1割7分4厘。192センチ、97キロ。右投げ右打ち。

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