阪神ドラフト4位栄枝裕貴捕手(23)が“1軍初打席”で遊ゴロに倒れた。オリックス本田の119キロを引っかけ凡打に終わった。この日の試合前練習から合流。6回裏の守備から途中出場し尾仲、小野、エドワーズ、岩貞をリード。いずれも無失点に導いた。

「ちょっと緊張していたんですけど。ファームで組んでいたピッチャーだったんで、どういう組み立てすればいいか分かっていたんで、そういう意味では落ち着いて、ピッチャーの良いところを引き出せたかなと思います」と安堵(あんど)した。

同期入団の佐藤輝、中野に刺激を受けたようで「テルとか今日は打っていないですけど、三振するだけですごい『あ~』っていう歓声。それだけ期待されているのを見て、自分も魅力ある選手になりたいと思いました」。

ベンチでもオリックス打線の観察を続けた。「しぶといバッティングを見せられて、やっぱり1軍のバッターって簡単に打ち取れないんだと。そういうところを2軍で考えながらやりたいと思います」。フォームに持ち帰る宿題ができた。

春季キャンプは1軍で過ごしたが、打ち上げ後に2軍合流。3月30日には兵庫県内の病院で右肋骨(ろっこつ)の疲労骨折と診断されたと発表され、リハビリに励んだ。6月9日のウエスタン・リーグ広島戦で実戦復帰。2軍公式戦には28試合に出場し53打数13安打、1本塁打で打率2割4分5厘。16試合でスタメンマスクをかぶり、着実に経験を積んできた。

直近の1日オリックス戦では3打数2安打。矢野監督の現役時代の背番号「39」を背負うルーキーは「ブロッキングであったり、バッティングももっともっと打って、アピールするじゃないですけど、1軍でチャンスができた時にすぐに活躍できるように準備していきたい」。貴重な経験を糧に、佐藤輝らに負けない選手を目指す。【中野椋】