昨オフに日本ハムから戦力外通告を受けた鈴木遼太郎投手(25)が今季から、社会人野球チームの「エイジェック」に入団することが14日、同チームから発表された。鈴木は「プロ野球から戦力外となった後に声をかけていただいた。感謝の気持ちを忘れずに、エイジェックという企業を、野球を通して盛り上げたいです」と、意気込んだ。

鈴木は宮城・石巻出身。東日本大震災による被災も経験している。プロ入り前には「自分は生まれも育ちもずっと石巻。まだまだ復興途中だと思う。自分が活躍して、石巻に元気、勇気をしっかり与えることを目標にやっていきたい」と話し、17年ドラフト6位で東北学院大から日本ハムへ入団した。

2年目の19年に1軍デビューも、20年オフに育成選手として再契約した。21年は支配下復帰を目指したが、かなわなかった。自由契約となった昨年12月にメットライフドームで開催された「12球団合同トライアウト」に参加し、同年の都市対抗野球に初出場したエイジェックからオファーを受けた。「日本ハムでは4年間、多くのことを勉強しました。学んだことを生かして、これからも頑張ります」。右肘痛などの故障にも苦しんだ右腕はステージこそ変われど、再び野球ができるチャンスを得た。「都市対抗への出場が大きな目標だと思いますので、そこへ向けて全力を尽くします」と、新天地で恩返しの活躍を誓った。

◆鈴木遼太郎(すずき・りょうたろう)1996年(平8)2月18日、宮城・石巻市生まれ。向陽台小1年から蛇田イーグルスで野球を始める。蛇田中では軟式野球部に所属。石巻西では1年夏からベンチ入りし、2年夏からエース。同夏の県選手権8強。3年夏は県16強。東北学院大では2年秋からベンチ入りし、優秀新人賞を獲得。17年ドラフト6位で日本ハム入団。20年オフに育成再契約も21年オフに戦力外。プロ通算1試合登板、0勝0敗、防御率0・00。家族は両親と妹。右投げ右打ち。184センチ、84キロ。