阪神近本光司外野手(27)が6日広島戦(甲子園)でプロ野球史上8人目となる30試合連続安打を達成し、11年マートンの球団記録に並んだ。球界では76年張本勲(巨人)、77年福本豊(阪急)に並ぶ歴代5位。レジェンド左打者に肩を並べた。連続試合安打のプロ野球記録は79年高橋慶彦(広島)の33で、あと3。

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近本の父・恵照さん(よしてる、61)でも分からないことがある。毎年のオフ、淡路島に帰省の際には野球のことはほとんど話さないという。「家では普通の近本光司ですね。テレビではプロ野球選手の近本光司として見ますけど、そっちが別人のように見えます」。実家では素朴な27歳。驚異的な集中力の源は何か、疑問のままだ。

父だから分かることもある。「家庭を持った自覚というか、そういうのは少しは出てきたのかな」。18年3月に結婚。19年7月には第1子の長女が生まれ、すくすくと育っている。一家の大黒柱としての自覚が、パフォーマンスにもつながっていると推察する。

「内心はいけるところまでいきたいと思っているんちゃうかな。小さい時から負けず嫌いで、何でも一番に、というのはあったでしょうから」。平成の大横綱、貴乃花にあやかって「強い男になるように」とつけられた「光司」の名前。その通りに、プレッシャーをはねのけ周囲の期待に応える男になった。「ここまで来たら、143試合終わるまで続けてもらったら」。父の“むちゃぶり”にも応えてしまうかも、と思わせる集中力が、頼もしい。【阪神担当 中野椋】

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