大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)で、17年秋場所以来の大関復帰を目指す関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が11日、東京・江東区の富岡八幡宮で、モンゴルからの留学生で15年夏場所後の新大関昇進前から交際していた、ツェグメド・ドルジハンドさん(26)と挙式した。既に3年前の18年2月に婚姻届は提出している。

出席者は伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)夫妻と新婦の親族、後援会関係者ら十数人で式は30分ほどで終えた。伊勢ケ浜親方も三十数年前に同じ場所で挙式していることから、富岡八幡宮での挙式となった。照ノ富士は「この日を楽しみにしていた。(前夜は)奥さんに良い一日にしてあげたいな、と思っていました」と柔和な表情で話した。

2人のなれ初めは7年前。共通の知人の紹介で食事をしたことに始まる。「美しい女性だなと思った」と照ノ富士が言えば、隣で新婦も「明るくて面白い方だなと。そのときはずっと笑っていました」と、うれしそうに話した。その頃、照ノ富士は新入幕した後で、新婦は高校から留学のため来日していた。

14場所在位した大関から陥落後、両膝の手術や糖尿病を患い連続休場したことで、序二段まで番付を落としたが、伴侶のサポートもあり関取に復帰した。「自分1人じゃ出来ないことがたくさんありますし、だからこそ周りの支えが本当に大きかった。その中で一番、やっぱり近くで本当に復活するきっかけになったのは、やっぱり奥さんのおかげだなと思っています」と感謝しきりの照ノ富士。プロポーズしたのは3年前のバレンタインデー(2月14日)で、その翌日には婚姻届を提出するという“早業”だった。

ケガなどで苦しい時期だったが、結婚を転機に、病気やケガを克服。「(番付が)落ちても変わらず支えてくれたのが、本当にありがたい気持ちでいっぱい。この人とずっと歩んでいきたいなと思いました」と振り返る照ノ富士は、再入幕の昨年7月場所では13勝2敗で2度目の優勝。返り三役を果たした同11月場所から13勝2敗、11勝4敗の成績で、3月の春場所は2度目の大関とりを目指す。

式を挙げた富岡八幡宮は、江戸勧進相撲発祥の地。境内には横綱力士碑、超五十連勝力士碑など、多数の角界ゆかりの石碑などが建立され、角界と縁の深い神社。新横綱が奉納土俵入りを行うのも慣例となっている。2度目の大関とりを成就した後、再度の綱とりに挑戦したい照ノ富士にとっては、格好の舞台となったはずだ。

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