大麻取締法違反容疑(所持)で9月8日に逮捕され、29日に起訴された俳優伊勢谷友介被告(44)が30日午後7時半ごろ、警視庁東京湾岸署から保釈された。報道陣に向かって「ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした」と謝罪した。ただ、大麻入手先に関しては黙秘しているとされ、今後の裁判ですべてが明らかになるか注目される。

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東京湾岸署の正面口に現れた伊勢谷被告は、頭をビシッと分けてオールバック気味に整髪し、黒のスーツ、黒のネクタイに白ワイシャツ姿。おびただしいフラッシュを浴びる中、背筋をぴんと伸ばして歩き、ひと言、謝罪の言葉を口にした。約4秒間頭を下げた後、黒のワンボックスカーに乗って同署を後にした。報道陣のカメラを見据えた目に、うっすら涙が浮かんでいたようにも見えた。

29日の起訴後、弁護人が保釈を請求しこの日、東京地裁が認めた。保釈金は500万円で、関係者が同日夕方に納付。起訴状によると8日、自宅で乾燥大麻4袋(計約13・17グラム)を所持したとしている。

大麻の具体的な入手先についてはナゾのままの保釈でもあった。同日午後、警視庁組織犯罪対策5課の家宅捜索を受け、自宅に1人でいたところを現行犯逮捕。リビングの机の引き出しから乾燥大麻4袋(計約20・3グラム、末端価格12万円相当)が見つかった。吸引に使ったとみられるたばこの巻き紙が500枚、アルミホイルで自作したパイプなども押収され、灰皿に燃えかすも残っていた。

9日には「大麻は自分が吸うために持っていたもの」などと容疑を認めた。所持した乾燥大麻には、葉よりも幻覚成分が多い「バッズ」と呼ばれる大麻草の花の部分が多数含まれていた。尿鑑定で大麻の陽性反応が出たが、捜査関係者によると入手先は「黙秘する」と話しているという。

29日に弁護人を通じ「無責任極まりない甘さ(中略)深く反省するとともに、これまでの身分に甘んじることなく、一社会人として社会的制裁をしっかりと受ける所存」と反省のコメントを発表した。一方で同日「昨年9月ごろから使用を再開した」と、以前からの大麻の使用をほのめかす供述をしたことも捜査関係者への取材で判明。今後の裁判では、社会貢献活動をする裏で大麻を所持していたとみられる、同被告の人生そのものも問われそうだ。