大手芸能事務所ホリプロが主催する「第44回ホリプロタレントスカウトキャラバン」の決選大会が12日、都内で開催され、愛媛県出身の中学2年生山崎玲奈さん(13)が応募者1万9115人の中からグランプリに輝いた。

グランプリの名前を呼ばれると、驚いた表情で手を顔に覆い目頭を押さえながら涙をこらえ喜びをかみしめた。呼ばれた瞬間「(周りの音が)なにも聞こえなくなっちゃって、次元をワープした感じでした。浮遊感があって、3秒後くらいに現実に戻ってきました」と感激した様子で話した。

山崎さんは結果発表前「すべての審査において思いっきり楽しんでできました。悔いはないです」と胸を張っていた。

小学4年生から始めたというミュージカル。市民ミュージカルのオーディションを受け、合格したことがきっかけとなり、その後の稽古で“楽しさを”覚え「職業にしたい」と強く思い始めたという。ミュージカルについて「目の前の人に歌で気持ちを伝えたり、直接ダンスで伝えることもできる、やってて楽しいし、見ている人も楽しくなる」と魅力を語った。

グランプリの決め手は抜群の芯の強さと笑顔、歌唱力だった。審査員ら“満場一致”で決定したといい、審査員の演出家宮本亞門氏は「すごかった、天才です」と褒めた。

会場に駆けつけていた両親には「お母さん、お父さん、一生懸命支えてくれてありがとうございます。2人のおかげでグランプになれました」と感謝の気持ちを直接伝えた。

目標にしている女優は「高畑充希」だといい、今後は「ミュージカルだけじゃなくて映画やドラマに出られる女優になりたいです」と今後の目標を語った。

今回は、新型コロナウイルスの影響で従来のような全国各地に出向いてのオーディションではなく、同社の60周年記念企画として、初のリモートを中心としたオーディションを開催。決選大会では、リモート審査、地方予選、合宿審査を乗り越えて選ばれた10人のファイナリストが「ダンス審査」「演技審査」「歌唱審査」を実施。その模様が「ニコニコ生放送」で配信された。

深田恭子(38)綾瀬はるか(35)石原さとみ(33)ら数々のスターを輩出した、芸能事務所ホリプロが主催するオーディションで、44回目を迎える今年は、初めて“世界に羽ばたける次世代ミュージカルスター”の発掘を目的とした、今までにないテーマが設けられた。

コロナ禍で、舞台やミュージカルは大打撃を受けた。同社も「ピーターパン」「ビリー・エリオット」といったミュージカル作品を多数手がけている。思うような製作が出来ない今だからこそ、アフターコロナを見据え「ミュージカルの未来を担う人材の発掘と育成」に焦点を当てた。

ライブ配信アプリ「17 Live(イチナナライブ)」賞には、京都府出身の高校3年生佐竹桃華さん(17)が受賞した。

◆山崎玲奈(やまさき・れな)2007年(平19)1月28日、愛媛県生まれ。1人っ子で両親と3人家族。長所は誰とでも話せること。短所は忘れ物が多いこと。好きな食べ物はイチゴ。得意科目は社会、苦手科目は国語。自身のアピールポイントは「歌とお芝居」。身長153センチ。