<日本ハム3-1楽天>◇06年3月25日◇札幌ドーム

移転3年目の開幕戦には、ほぼ満員となる4万2393人の大観衆が集まった。試合前セレモニー終了後、スタメン9選手が8台のハーレー・ダビッドソンに乗り込んで登場。三輪タイプに改造した「トライク」にまたがり入場した新庄は、一塁ベンチで見ていた阪神時代の恩師、楽天野村監督の前を、左手人さし指を立てて、爆走した。

前年末から新庄自身が企画。前日も1人でひそかに約1時間のリハーサルをする熱の入れようだったが、プレーの方は6回に1安打も、2回無死一塁、8回1死一、二塁のチャンスでともに併殺打と、7年ぶりの1試合2併殺を喫した。

代わりに直前20日まで行われたWBCで王ジャパン世界一に尽力した小笠原と、ヤクルト時代の恩師野村監督を相手にした稲葉が快音を響かせた。ハーレー企画は「何も聞いていないんでびっくりした」という小笠原は初回2死、楽天一場の初球を右中間に運び先制弾。同点にされた直後の4回裏無死一塁では稲葉が右中間へ勝ち越し三塁打を放ち、勝利を引き寄せた。この1勝が、移転後初、25年ぶりリーグ制覇、44年ぶり日本一へのスタートとなる。