Jリーグ入りを目指し2月1日に発足したサッカークラブ「BTOPサンクくりやま」が9日、札幌市内でスタートアップ会見を開いた。前身は昨季、北海道ブロックリーグ決勝大会を勝ち抜き今季16年ぶりに北海道リーグ復帰するサンクFCくりやま。北海高OBで元柏DF矢野哲也氏(37)が代表、総監督は昨秋にコンサドーレ札幌U-18からトップ昇格したDF西野奨太(17)の兄虎太郎氏(24)、監督は元U-17日本代表MF杉山雄太氏(24)が務める。Jリーグ経験者12人を含む31選手で23年のJFL昇格と、最短26年のJ1昇格を狙う。

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BTOPサンクくりやまが、北海道で2番目のJリーグ入りを目指し1歩踏み出した。矢野代表は「あくまで目標はJ1昇格。必ずコンサドーレ札幌との北海道ダービーを実現させる。困難なことは承知の上。そこに立ち向かうのが我々の使命」と力強く宣言した。

母体は今季、道リーグに復帰したサンクFCくりやまで、昨年4月に資本金1000万円で設立されたBTOP社(矢野代表取締役)がチーム運営を務める。既に道内7社のスポンサー企業の支援を受け、今後は15社限定の上級スポンサー(月30万円、年間契約)、30社限定のスポンサー(月10万円、同)を集める。同代表は「地域の方々を巻き込み栗山、札幌、北海道と輪を広げていきたい」とビジョンを口にした。

他の仕事と掛け持ちでプレーする選手もいるが、22人がBTOP社からサッカーでの報酬を受けるプロ契約選手。メンバーはサンクFCくりやまからの残留組7人と新加入24人の計31人で構成され、道産子は昨季までJ2金沢に在籍した札幌市出身のMF本塚聖也主将(24)ら10人と、約3分の1を占める。本塚は札幌U-15、同U-18時代、現札幌MF高嶺朋樹(24)とチームメート。将来のJ1ダービーを思い描き「簡単なことではないが、1戦1戦立ち向かっていくだけ」と気を引き締めた。

練習拠点は前身同様、栗山町ふじスポーツ広場や札幌市内の施設などで行う方向で検討中。ホーム試合は岩見沢市内の岡山スポーツフィールドを中心に準備を進める。J2群馬セカンドチームでプレー経験のある西野総監督は「JFL昇格だけでなくJFLの戦いもイメージしてチームをつくれたら」と先を見据える。まずは5月中旬開幕予定の道リーグ初戦に向けチームを整え、1歩ずつ階段を上がっていく。【永野高輔】

◆BTOPサンクくりやま 前身はサンクFCくりやま。98年11月、アンフィニ札幌サッカー部の解散にともない、クラブ代表の鈴木貴浩氏が中心となり札幌サンクFCを創設。00年札幌サッカーリーグに登録し優勝。01年北海道リーグ2部昇格初年度に優勝し翌02年、同1部昇格。04年に本拠地を栗山町に移転。07年に道北ブロックリーグ降格。リーグ再編にともない12年から道央ブロックリーグ、19年から道央・道北ブロックリーグ所属。21年に道央・道北ブロックリーグを4勝1分け無敗で制し、ブロックリーグ決勝大会も勝ち抜き22年、16年ぶりの道リーグ復帰を果たした。