21年東京五輪(オリンピック)銀、22年世界選手権銅メダルの本多灯(21=イトマン東京)が2大会連続の銅メダルを獲得した。

1分53秒66を記録。大会中は不調に苦しみながら、世界記録保持者ミラク(ハンガリー)不在の激しい争いで力を出し切り、金メダルの21歳マルシャン(フランス)らに続いた。

今年に入って新たな環境で中長期的な強化に着手。この日で開幕まで1年となったパリ五輪で頂点を目指す。

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最後のターンから浮き上がった本多が、大歓声を背に力を振り絞った。

初日の400メートル個人メドレーで予選落ち。大会中に勇気づけられた曲名を用い「“悪あがき”したい」と臨んだ。

最後にかわされた2位とは、わずか0秒04差。悔しさよりも「3番、2番、1番…。正直、変わらないぐらいうれしかった。諦めなくてよかった」と苦しんで立った表彰台をかみしめた。

1年前の世界選手権。ミラクが世界新記録、当時20歳マルシャンが2位、自身は3位にとどまった。

「悔しいという気持ちだけで終わった」

今年に入り日大からイトマン東京に所属を変更。4月の日本選手権4連覇以降は国際舞台への指導経験豊富な堀之内徹氏がメインコーチとなり、中長期的な強化に取り組んだ。

5月の欧州遠征では複数種目とウエートトレーニングを並行。疲労で精神的に苦しみ「ちょっと分からなくなっています…」と漏らした。同コーチは「そういう体で対応し、最低限の結果にもっていくことも必要。『本多灯のトレーニング論』を作っているところ」と現在地を明かす。疲労を抜かず、来年を見据えて従来と異なる強化も試した。

激闘後の取材エリア。本多は五輪開幕1年前の話題に「正直、頭が悪いので考えていなかった」と笑わせ「プレッシャーを押しのけての3番。変わらず僕に期待してくれれば、うれしいです」と明るさが戻った。

全てがかみ合う泳ぎを、パリで体現する。【松本航】