日本代表が、ワールドカップ(W杯)で最多3度の優勝を誇るニュージーランド(NZ)代表「オールブラックス」に31-69で敗れた。ボール争奪戦で劣勢に立たされ、10失トライと防御に課題は残ったが、WTB福岡堅樹(26=パナソニック)が攻守に存在感を発揮。6度目のNZ戦で最多の5トライを奪い、過去最少得点差で意地を見せた。日本は7日に英国遠征に出発し、17日にイングランド、24日に19年W杯日本大会の1次リーグで同組のロシアと対戦する。
じわじわ点差を離される展開の中、福岡が輝きを放った。後半30分に左タッチライン際でわずかな隙間を見つけると、50メートル5秒8のギアを一気に上げた。タッチに出そうとする相手2人を右手ではじき飛ばしながら豪快に突破。3人目のタックルを巻き込むようにかわしながら、内側を走る松田につなぎ、ラファエレのトライを演出した。
敗れはしたが、「世界との壁を感じた」と語る13年以来のオールブラックス戦で、手応えを実感。「自分自身のフィジカルは前回より確実に通用した。チームとしても、ボールを継続できればトライが取れると実感できた」と胸を張った。
17年に世界最高峰リーグ、スーパーラグビーにデビューし、世界の強豪にもまれながら、パワー、フィットネスを磨き、武器であるスピード以外のプレーの幅を広げた。今季からは、試合直前の集中力の高め方も変え、「殺し合いが始まるぐらいの気持ちを作り、気の抜けたプレー、むらをなくしたい」と、深呼吸をしながら、体全体、指先まで神経を集中するルーティンを取り入れた。派手なプレーより80分間を通した安定感、チームの勝利につながるプレーを追い求めた。
最強軍団を相手にフル出場を果たし、キックチェイス、スピードを生かした防御と多くの局面で見せ場を作った。英国遠征でのイングランド、ロシア戦と、19年W杯へとつながる戦いは続く。日本のエースは「今日の点差を1年間で埋めていく」と力強く前を向いた。【奥山将志】



