男子マラソンの大迫傑(30=ナイキ)が29日、自身のSNSを更新し、「8月8日のマラソンを現役選手としてのラストレースにします」と電撃発表した。

8月8日とは東京オリンピック(五輪)を意味する。自身のユーチューブチャンネルでも経緯などを説明。ずっと目標にしてきた舞台を正真正銘の競技人生の最後とし、究極の覚悟で挑む。

大迫は18年10月のシカゴで2時間5分50秒をマークし、16年ぶりに日本記録を塗り替えた。20年3月の東京では2時間5分29秒に更新した。その後、日本記録は鈴木健吾(26=富士通)に破られたとはいえ、2度の日本新-。まさに記録の高速化が進む、日本マラソン界をけん引してきた。3000メートルと5000メートルの日本記録は今も残っている。

自らの意思で道を切り開き、成長を続けてきた。早大の時から海外を練習拠点としたり、実業団は1年で辞めてプロになる道を選んだ。どうしたら強く、速くなれるか-。それを考え続け、選択をしてきた。その決断は反対も付き物だったが、それを結果で黙らせ、正しかったと証明してきた。

五輪へ向けてはケニア、米国で練習を積んできた。昨夏には「年齢からしても、脂がのった時に迎えられる大会。集大成の1つ」と語っていた。まさに人一番強い覚悟で、自国開催の五輪に懸ける。