スノーボードのハーフパイプで冬季五輪2大会連続銀メダリストの平野歩夢が、夏冬両五輪出場を成し遂げた。これまで大会組織委員会の橋本聖子会長を含む日本人5人しかいない偉業。パーク予選4組で滑走し、上位8人が進める決勝を目指した。

平野が「二刀流」の挑戦を表明したのは18年11月。平昌冬季五輪を終え、4歳の頃から慣れ親しんできたスケートボードで今度は東京五輪出場を目指すことを宣言した。「五輪の正式種目になったのでスルーするわけにはいかない」と力強く語った。

19年5月には地元の新潟・村上市で行われた日本選手権で初の日本一を獲得。東京五輪に直結する強化指定選手入りを引き寄せた。

その後の五輪予選を兼ねた国際大会でも日本勢トップを維持し、開催国枠「1」の出場権を獲得。

ただ、パーク男子はいまだ世界との差がある。五輪出場権を手にしたのは日本勢で平野のみだ。

スノーボードで圧倒的な実力を示した男でさえ、スケートボードでは決勝に進めるかどうか微妙なライン。幼少期から慣れ親しんできた横乗り種目だが、納得いく滑りができず模索を続けた。それでも「勝ち負けよりも、この場に立たせてもらっていることに感謝しながらできることを出し切る」と意気込んだ。