サッカー日本の森保一監督(52)が、涙ながらに、「8・6」へ思いを口にした。6日に行われるメキシコとの3位決定戦を前に5日、会場の埼玉スタジアムで公式会見に登場。決戦の日、8月6日は銅メダルがかかる大事な1日であり、広島に原爆が落とされた「原爆の日」でもある。森保監督は8月9日に原爆が投下された長崎の地で育ち、広島の地でプロのキャリアをスタート。指導者としても多くの時間を過ごした。「原爆」の問題は切っても切り離せない。「明日8月6日は、世界で初めて広島に原爆が…。原子爆弾が投下され、多くの尊い命が失われ、大切な人々の町や生活が失われてしまった」と話し始めると、涙がこぼれた。

五輪は平和の祭典であり、スポーツの祭典。「今も尚、心の傷を負って、多くの人が生活をしていることを世界の多くのみなさんと共有できれば幸い。五輪という意義は、五輪については平和の祭典ということで認識もしている。この五輪期間中に、8月6日に広島に原子爆弾が落とされ、多くの尊い命が失われたこと、町が破壊され、今も傷ついている人が多くいて、長崎にも同様に世界で2つ目の原爆が投下され、同じようなことが起きました。この五輪期間中に、8月6日が来るということは、平和の祭典をやっている中で、平和についてアスリート、スタッフ、関係者、世界中のみなさんと考えるいい機会になると思う」と続けた。

日常は当たり前ではない。「平和であるからこそ、スポーツの祭典ができる。平和であるからこそ、大好きなことができる。平和をかみしめて、五輪を最後まで臨みたい、明日の試合に臨みたいと思います。世界中で戦争、紛争で命を失われたり、命を脅かされたり、傷ついている人がいる。人々が安全で安心で生活できるよう、心穏やかに生活できるよう、そうなるよう祈っております」と世界中に向けてもメッセージを届けた。

原爆は8月6日、午前8時15分に投下された。「8時15分は、黙とうをささげ、亡くなった方にご冥福をお祈りするとともに、少しでも心の傷がいえるように、お祈りをささげたい」と思いを口にした。