FC町田ゼルビアDF深津康太(33)が、J1で14シーズン戦ったアルビレックス新潟とのJリーグ初対戦に引き分け、チームの成長をかみしめつつ、クラブがライセンス取得を目指すJ1への前進を誓った。また公式戦で過去、1回だけ対戦していた10年の天皇杯3回戦に出場した唯一の選手として、この日のピッチに立った感慨も口にした。

 深津は、この日まで両チームが対戦した唯一の公式戦として記録に残る、2010年(平22)10月9日に行われた天皇杯3回戦でピッチに立っていた。当時、町田はJFLで戦っており、J1だった新潟にアウェーで1-2で負けた。当時について聞かれ「細かいことは全く覚えていない。食ってやろうという気持ちしかなかった」と振り返った。

 その試合に出場した両軍の選手で、現在も同じクラブでプレーを続けるのは深津ただ1人だ。試合後、そのことを聞き「それだけ長く、このチームにいるというのも光栄ですし、このチームで出来ているのがうれしい」と感慨深げに語った。

 深津は09年にJ2のFC岐阜からJFLの町田に移籍し、2シーズンプレーした。11年に東京ヴェルディに移籍し、12年まで在籍したが、13年から再び町田でプレーを続けている。その間、町田は14年にJ3、翌15年にJ2入れ替え戦を経て4年ぶりのJ2復帰を決め、16年からJ2で戦っている。クラブのステップアップに、全身全霊をささげてきた。

 03年にJ2優勝、J1昇格を決めて17年までJ1で戦い続けた新潟は、対戦前の順位こそ町田の3位を大きく下回る14位だったが、深津は「14年、J1にいたチーム。僕らはJ1にいったことがない。胸を借り、チャレンジャーとして変わらずやるだけだった」とリスペクトしていた。その新潟をシュート数で6対2と上回り、特に前半は圧倒した。深津は「チームとして、うまく守れた。J1でやってきたチームに対して、これだけ戦えるということはいいと思う」と自信を深めた。

 町田は2020年のJ1ライセンス取得という目標を掲げ、その目標に向かって進んでいる。深津は「J1ライセンスがどうなるか、まだ分からないですけど、僕らが結果を出して…僕はJ1で戦うのが夢、目標なので、それに向けて1試合、1試合、全力でやるしかない」と、新潟と五分以上に渡り合ったことで、J1への思いをひときわ、強くした。【村上幸将】