東京の日本代表MF高橋秀人(26)が、都内公立中学校の教科書に起用されることが2日、分かった。現役日本代表選手としては異例の抜てきとなる。保健体育と理科の2科目で16年からの掲載で検討されており、すでに取材、撮影も済ませている。教科書検定が通れば幅広い若者たちの題材になる。

 保健体育では、プロサッカー選手として栄養学の面で語るという。高橋は普段から食事に気を使っている。日々の練習から100%出し切り、試合では90分間走り続けられる体をつくるために、朝食から炭水化物、タンパク質、脂質をバランスよく摂取。生きた教材になる

 さらに理科では、力の伝わり方のモデルとして、高橋のキックシーンを撮影した。普段から体幹トレーニングを行い、長い手足を使いきれいなキックフォームを持つ。長短のキックを蹴り分ける技術は貴重な資料と言える。

 高橋は東京学芸大教育学部出身で、中学と高校の保健体育の教員免許を保持する。地元応援番組では先生役で授業を行い、ファンにも「高秀先生」のキャラクターは浸透。現役選手として義務教育の現場に登場することで、サッカーの裾野を広げる大きな役割を果たすことになりそうだ。

 ◆教科書になった日本人スポーツ選手

 英語の教科書に外国人関取第1号の高見山(元東関親方)が採用された。94年度には元横綱貴乃花(当時大関貴ノ花)。98年度には米大リーグで活躍した野茂英雄、女子柔道の田村亮子、サッカーのラモス瑠偉らも登場。また04年にはイチロー、05年には松井秀喜ら大リーグ選手が道徳副読本で採用された。