プレミアリーグのリバプールに所属していた日本代表FW南野拓実(27)がフランス1部モナコに移籍した。6月28日に両クラブから発表があった。

移籍情報サイト「トランスファーマーケット」によると、移籍金は1500万ユーロ(約21億円)。現地報道ではこれに出来高がつくと伝えられているが、この21億円はなかなかの数字だ。

今夏、移籍を果たした約2000人の選手の中で、1500万ユーロ以上の額で新天地に移った選手は現時点で南野以外に26人しかいない(7月3日現在)。

その26人中8人は移籍金2000万ユーロ(約28億円)以下で、南野とさほど変わらない。MFコウチーニョ(移籍金2000万ユーロでバルセロナからアストンビラへ完全移籍)、MFグラフェンベルフ(アヤックスから同1850万ユーロでバイエルン・ミュンヘンへ完全移籍)らビッグネームや注目選手も含まれている。

移籍金の決定には、その選手の純粋な評価額に加え、旧クラブとの残りの契約年数等が関わってくるために一慨には言えないが、南野が欧州サッカー界で一定の評価を得ていたのは間違いないだろう。

現時点での今夏の移籍金ランキング1位は、モナコからレアル・マドリードへ加入したMFチュアメニで8000万ユーロ(約112億円)となっている。2位はベンフィカからリバプールへ移籍したFWヌニェスの7500万ユーロ(約105億円)。3位がドルトムントからマンチェスター・シティー入りしたFWハーランドで6000万ユーロ(約84億円)だ。

ハーランドはここ数年、エムバペ(パリ・サンジェルマンに残留)とともに移籍市場で注目を集め続けてきた。トランスファーマーケットが算定した市場価値は破格の1億5000万ユーロ(約210億円)となっており、そういう意味では移籍金84億円はお買い得だったと言えるのかもしれない。マンチェスターCで活躍できなければ、それでも「高い」となってしまうが。

一方、チュアメニの市場価値は6000万ユーロ(約84億円)。Rマドリードが同MFの将来性を考慮して、少し高めに購入した形だ。

南野の市場価値は1200万ユーロ(約16億8000万円)。現時点で言えば、モナコはやや高値で獲得したということになる。南野には今後、クラブに「お買い得だったな」と思わせるような活躍を期待したい。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)