現在ブンデスリーガ5連覇中のバイエルン・ミュンヘンは、クラブ史上初の3冠獲得に導いたユップ・ハインケスを新たな指揮官に据えることを発表した。しかしその一方で、その座を追われたカルロ・アンチェロッティ前監督からは、Bミュンヘンに対する恨み節のようなものが聞こえてきた。


 大衆紙「ビルト」によると、アンチェロッティ氏は母国メディア「スカイスポーツ」とのインタビューで、「決定権を持っているのは監督で、これを受け入れるかどうかは、選手の知力次第だ」と話し、Bミュンヘンの選手が反旗を翻したことをほのめかしたという。ここで語られた“選手”とは、おそらく欧州CLのパリ・サンジェルマン戦でメンバー外となったジェローム・ボアテング、そして先発から外されたマッツ・フンメルス、フランク・リベリー、アリエン・ロッベンらのことを指しているものと思われる。


 さらにアンチェロッティ氏は「監督の決定が下された際に、監督をサポートしていく力を、クラブは持っていなければならない。22年間の指導者キャリアの中で、こんなにも首脳陣との関係が難しいと思ったことはない。私の決断を理解するための明敏さが(首脳陣には)必要なんだ」と続け、ウリ・ヘーネス会長やカール・ハインツ・ルンメニゲ社長など、Bミュンヘン幹部からの庇護が受けられなかったと主張した。


 ただ、「10カ月くらいの休養が必要」と話し、気分転換のためエルサレムなどへ観光に出かけていた同氏の視線は、すでに前を向いており、「Bミュンヘンはもう過去のこと。冒険の終わりは、次なる冒険の始まりを意味する」とコメントしている。


 すでに彼のもとには、欧州内外のクラブから就任要請が届いていると噂されている。来夏、充電期間を終えたアンチェロッティ氏が次なるアドベンチャーの舞台に選ぶのは、果たしてどのクラブになるのだろうか。