ワールドカップ(W杯)ロシア大会1次リーグでロシアを去ることになった前回大会王者のドイツ代表に、自国の大衆紙「ビルト」が批判を続けている。

 敗退が決定した翌日にビルト紙電子版が矛先を向けたのは、ドイツサッカー連盟(DFB)のマーケティング部門。「DFBは#zsmmn(zusammenの略。日本語で共同・調和・一緒に・集合、などの意味)というおかしなキャンペーンを展開し、『我々は全員1つにまとまっている』というモットーを掲げていた」と前置きし、「“チーム”なんて言葉は彼らのホームページの中だけで、グラウンドの上ではまったくそうではなかった」と攻撃した。

 さらにビルト紙によると、2014年ブラジル大会で優勝を飾って以降、ドイツ代表とファンの間には距離が生まれつつあったようで、「あまりにも高くなった代表戦チケットと、家族での観戦には向かないキックオフ時間」、「ドイツ代表の練習が非公開」、「ドイツ代表ファンクラブに入るためには年間30ユーロ(約3900円)の会費が必要なこと」、「敗退決定直後にSNSで『きみたちと同じように我々も失望している! チャンピオンのような試合ができなくて残念だ』と、事前に用意してあったかのようなまるで感情のない書き込みをしたこと」など、同紙はDFBのマーケティング部門にその原因があると見ている。

 そして「試合を生で見るために数千ユーロ(数十万円)を払って現地に駆け付けたファンのことを、選手は本当に考えていたのか? 商業主義はたくさん存在していたが、ハートがあまりにも少ない!」と、不甲斐ない結果に終わったドイツ代表を厳しく非難した。