カタールのハリド首相が、来年11月~12月に同国で開催されるワールドカップ(W杯)を観戦に訪れるファンのために、新型コロナウイルスワクチン100万回分を提供すると発表した。20日に国営メディアが報じた。

22年W杯カタール大会を現地で観戦するには、ワクチン接種が条件となる見通し。しかし国によっては来年になっても国民全員にワクチンが行き届かない可能性がある。

東アジアだけを見ても日本や韓国、中国、シンガポールなどと比べ、ベトナムやタイ、インドネシア、マレーシアなどではワクチン接種のペースが遅れている。アラブ諸国でもイラクやシリア、パレスチナ、ヨルダン、レバノンで同様の遅れが見られる。アフリカではさらに接種ペースが遅い。

ハリド首相は「W杯が開催されるころ、多くの国ではワクチン接種が行われていると思う。ただ、いくつかの国で完全にはワクチンが行き届いていない可能性がある。我々は現在、ワクチン接種がなされていない観客のために、100万回分のワクチンを提供してもらえるように製薬会社と交渉中だ」と説明した。

どこの国のサポーターであっても平等に自国の代表を応援できるのは素晴らしいこと。現在開催中の欧州選手権でもスタジアムごとに差はあるものの、ある程度の観客を動員して試合が行われ、大きな盛り上がりを見せている。22年W杯でも、ワクチンを接種したファンでスタンドが埋めつくされ、手に汗握る試合が展開されることを期待したい。