8月の東京五輪マラソンコースのテスト大会「北海道・札幌マラソンフェスティバル」が5日、行われた。東京五輪日本代表の男女4選手らが出場した。札幌市内の新型コロナウイルス感染者が増加する中、行われたイベントに、市民は賛否の声があった。

沿道での観戦自粛が呼びかけられる中、立ち止まってカメラでランナーを撮影していた60代男性は「五輪があるのは一生に一度のレアなこと。感染に気を付けながらやれば良い」と歓迎した。テスト大会に対しては一定の理解を示す市民も多かった。40代女性は「今日のテスト大会についてはしょうがない。五輪をやるやらないが決まっていないなら、テストをやらずに本番をするのは無理なので」。20代男性は「五輪はきっともうやるのだろうから、感染対策を確認するためには必要だったのでは」と話した。

ただ、反対意見が多いのも事実。コース沿道に職場あるため通勤中だった40代女性は「意味があるのか。五輪が開催されるのか疑問なので」とテスト大会開催に対して疑問視した。「もともと東京五輪のマラソンの札幌開催には好意的ではない。『北海道なんかでやる』とテレビで言われていて傷ついたから」と買い物のため通行中だった60代女性もいた。「感染者が増えているこの時期はタイミングとしてはどうかと感じる」(30代男性)という意見もあった。

配達サービスは市街地の交通規制のため一時休止。自転車に乗った配達スタッフは「仕方ないですね」と受け入れていた。

沿道には観戦自粛を呼びかける約770人のスタッフが動員された。ボランティアが多く、「何か協力できることがあればと思い、応募した」(70代男性)と本番を心待ちにする市民の声もあった。