予選12位の松田次生、ロニー・クインタレッリ(ともに36)組(日産)が2位に入り、2年連続のGT500クラス総合優勝を決めた。1周目に10位につけると着実に順位を上げ、総合2位から逆転した。

 あきらめかけた2連覇だった。松田、クインタレッリ組は、総合首位の安田、オリベイラ組に2点差をつけられて最終戦を迎えた。1発にかけた予選は12位と出遅れ、相手は5位。監督として20年ぶりのGT総合優勝に王手をかけた“日本一速い男”星野一義氏率いる安田組の逃げ切りに思えた。松田でさえスタート前、「今季2勝できたからいいか」と考えていた。

 レース直前、流れが変わった。曇り空から小雨が降り出した。用意していた小雨に最適のタイヤが生きた。1周目で10位に上がると、2周目9位、6周目には8位に。

 順位を上げられない相手がピットインする間、クインタレッリが攻めて一気に差を縮めた。次の25周目にピットインするとメカニックが「今季最速」(鈴木監督)33秒で作業終了。通常40秒前後だけに差は歴然で、相手の前に躍り出た。優勝こそ逃したが、相手より2つ上の2位でゴール。松田は「信じられない」と感涙した。

 松田は今季、1日3時間の筋トレで10キロ減量した。「CMに出られますよ」と言うほど体形が変わった。メカニックも、鈴木監督が「ドライバーに負けないほどアスリートです」と言うほどタイヤ交換の練習に励んだ。運だけではなく、入念な準備が呼び込んだ逆転王者だった。

 ◆スーパーGT 04年まで続いた全日本GT選手権を国際シリーズ化するために05年に発足した。市販車を大幅に改造した車で争う。エンジンの最高出力が約500馬力のGT500と約300馬力のGT300の2クラスがある。全8戦の総合得点で争われ、今季の第3戦はタイで行われた。GTとは高速で長距離移動できるグランドツーリングカーの略。