秋田ノーザンハピネッツ(東地区5位)がライジングゼファー福岡(西地区6位)を72-71で下し、今季ホーム初勝利を挙げた。5点リードで迎えた第4クオーター(Q)で一時逆転を許し窮地に追い込まれたが、残り12秒でひっくり返した。昨季B2プレーオフ(PO)最終戦で敗れ、優勝をさらわれた相手に雪辱し、これでリーグ2連勝。B1下克上へ、ハピネッツの反撃がここから始まる。

今季3戦目のホームが、劇的な勝利に沸いた。フリースローで1点をリードされた直後の残り12秒、リング下で右からのパスを受けたカディーム・コールビー(28)の豪快な逆転ダンクが決まると、ピンク一色に染まった会場は総立ちとなり、大歓声に包まれた。直後の相手攻撃をしのぎ、何とか逃げ切った選手たちは跳び回って喜びを爆発させた。B1復帰後ホーム初勝利に、ジョゼップ・クラロス・カナルス(ペップ)ヘッドコーチ(HC=49)は「すごく久しぶりに思える。その間応援してくれてありがとう」とブースターに感謝した。

昨季B2POで、3戦勝負の末に敗れた相手に競り勝った。チーム3年目のガード中山拓哉(24)が4スチールを含む計17得点。開始1分から連続シュートを決めてチームを鼓舞した。昨季B2スチール王で、今季B1でも首位に立つ。4アシストも決めた中山は「プレーで引っ張っていく」とチーム生え抜きの自覚を示した。

第3Q中盤の最大13点リードから追いつかれたが、強い気持ちを切らさなかった。今季ホーム初の最優秀選手に輝いたコールビーも、6ブロックショットでリーグ首位をキープ。「与えられた役割ができた」と胸を張った。守備では全員で相手ボールを奪いにいく持ち前の「攻撃的防御」を貫いた。だが、ペップHCは「自分たちのプレーをすればもっと楽に勝てる」と発展途上を強調。相手を5本上回る計15本のオフェンスリバウンド獲得にも「自分たちのシュートが入っていないから」と手厳しい。

昨季POは福岡に初戦勝利も、2日目は3戦勝負に持ち込まれて敗れた。中山は「2日目に負けているのでいい準備をして勝ち切りたい」と今日21日のホーム連勝を誓った。【佐々木雄高】